Jポップは、近代詩を歌う。 二○○○年になり現代詩はいまだ、大衆からは孤立している。これは、きっと事実であろうが、私は、詩が大衆化することを望んでいるわけではない。詩の言葉は、既成の言葉のあらゆる規制や概念を壊し「新しい言葉の姿」を時代に提示してこその前衛であろうと確信しているし、そのために大衆という視点からすれば難解で、ある種熱狂する言葉の姿を見せざるを得ないのだから。そう易々と、時代や大衆に作品という身を投げ出すようなことはしたくない。市場を開くためには、もちろん難解であることは、マイナス要素であるが「難解である」こともまた、ひとつの批評的な反応であり、ただ「わかりやすい倫理観」を語って双手を挙げて称賛されはするが批評の余地すら生じない詩など、無用であると信じている。だがしかし、自らが書いた詩が、大衆の中で流通することを夢見ることもある。たとえば、流行歌にでもなって街にその詩があふれだ