かつて、言葉は意味よりも先にかっこよさで入ってきた。 私が小学生のころ、「ターボ」という言葉がかっこよかったんだが、これはスト2ターボというゲームのせい。正式名称は『ストリートファイター2ターボ』。ある日、一人のクラスメイトが「スト2ターボ」と言い出し、誰もがその響きに魅了され、翌日には男子があちこちでターボと言い始めていた。舌から舌へ、言葉はすさまじい速度で感染する。気持ちのいい言葉の爆発的感染力。 同時期、「ターボファイル」というものもあった。これはスト2ターボよりマイナーだが、当時の私は『RPGツクール』というゲームにはまっていて、そこで使う付属品だった。ここにもターボがいる、と子供ながらに思っていた。さらに数年後、オリコンチャートでブイブイいわせていた頃のTMレボリューションが、「ジ・エンド・オブ・ジェネシス・TMRエボリューション・ターボ・タイプD」に改名した。ここにもターボ!