小説家。 1918年、富山県高岡市に生まれる。慶應義塾大学仏文科卒業。1942年、国際文化振興会に就職し、1945年に中国に渡り上海で敗戦を体験する。その後、中国国民党宣伝部に徴用され、1947年帰国。1951年に『広場の孤独』『漢奸』などで芥川賞を受賞。受賞作である『広場の孤独』で描かれた、歴史の大きなうねりに翻弄されつつも時代と向きあおうとする人物像は、この後も一貫して作品の中に登場する。その後、長編では『歴史』『審判』『海鳴りの底から』『若き日の詩人たちの肖像』などを執筆。同時にアジア・アフリカ作家会議の事務局長、議長も歴任した。近代化していくスペインの変化の中で歴史の観察者として絵筆をとりつづけた『ゴヤ』四部作で大仏次郎賞を受賞。1977年より約10年間にわたってスペインに移住。その後も『定家明月記私抄』(正続)、『路上の人』、『ミシェル 城館の人』(全三巻)など、乱世の観察者たち