知人に夏目房之介さんの『マンガはなぜ面白いのか』を読ませたところ、もっとも腑に落ちたところが「コマの圧縮と開放」であったという(第十章、文庫版P139から)。「今まで読んでいて気持ちの良いコマ割りと、そうでないコマ割りには、こんな違いがあったのかと気づかされたのだ」と。その興奮具合が面白かったので、手近にあるマンガの中から「圧縮と開放」を読み取ってもらった。 例:福島聡『機動旅団八福神』2巻P59_P60 図1 麻草「開放感あるねえ(図1)」 知人「しかもこれ、メクリなんだよ。ページをめくると北極の真っ白な空、そしてセリフ『北極は寒い』」 麻草「ミもフタもない。直前のコマで砕氷船を左斜め上に進ませてるのもポイント高いね」 知人「効果音や、セリフ、そして描いてあるものを辿るだけで、視線の誘導も計算されつくしてるんだってことがわかる(図2)」 同トレース図上、視線誘導ライン 図2 麻草「これは
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