鉛筆やシャープペンシルで書いたものは消しゴムで簡単に消えるのに、色鉛筆で書いたものは消えにくい。誰もが経験的に知っていることだが何故色鉛筆だと消えないのか、黒の鉛筆とどう違うのだろうか。 黒鉛筆は黒鉛と粘土を混ぜて1000~1200℃の高温で焼き固めたもので丈夫だが、紙の表面の凹凸にあまり入り込まない。そのため消しゴムにキレイにくっつく。一方で色鉛筆は顔料とロウ(ワックス)、合成樹脂などを混ぜて50℃程度の中で長時間かけて乾燥させる。高温で焼き固められないため非常に柔らかい。 そのため色鉛筆は紙の凹凸にロウが入り込み、消しゴムでそれを剥がすことが出来ない。薄くはなるが、入り込んだ分だけ残ってしまうのである。そこで、合成樹脂を工夫し全部を「芯」に出来るぐらい丈夫にして、凹凸に入り込まないようにしたものが「クーピー」で、こちらは消せる色鉛筆というわけである。