朴槿恵(パク・クネ)政権による経営合理化に反発して、韓国の国鉄労組は昨年末、3週間という異例のストライキを行い、国内の交通網は大混乱に陥った。日本ではあり得ない長期ストもさることながら、韓国の鉄道車内は、物ごいや物売りが平然と闊歩(かっぽ)し、乗車マナーもひどく、先進国から来た観光客を驚かせている。 スト中は、韓国自慢の高速鉄道(KTX)の運行本数が5割程度になるなど、ダイヤが大混乱した。加えて、人手不足から学生(19)を車掌に登用したことが災いして、乗客の女性(84)がドアに挟まれたまま発車し、死亡する事故まで発生している。 ダイヤは年明けから正常化したが、ソウル在住の日本人駐在員は「そもそも、日ごろから韓国鉄道の車内秩序は保たれていない」といい、こう続ける。 「満員電車の中でも、募金や物ごいが人をかき分けて活動している。また、昼間の空いた電車や郊外を走る電車では、ショー仕立ての物売りが