【上海=河崎真澄】中国主導で設立準備が進む国際機関アジアインフラ投資銀行(AIIB)の運営をめぐり、発足当初から中国が単独で最大30%の議決権を握って「拒否権」を発動できる態勢となる見通しになった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(中国語版)が10日までに伝えた。 銀行運営の透明性確保に関し、中国の対外説明が十分ではないとして、日米は参加に慎重な姿勢を貫いている。中国が単独で拒否権をもつ組織となれば、中国の最終決定に従わざるを得なくなる懸念が強まる。 同紙は、創設メンバー57カ国が6月下旬に北京で調印する予定の基本規定「定款」の草案を独自入手したという。定款の草案が明らかになったのは初めて。 それによると、AIIBの資本金は1千億ドル(約12兆円)で中国は単独で最大の29・8%を出資する。出資比率に応じて議決権が決まるが、定款草案は中国の議決権を25~30%と幅をもたせており、最終調整に