街のあちこちで「防犯カメラ」が、私たちを見守っています。いや、もしかしたら見張られているのかもしれません。デジタル技術の「目」と「耳」がもたらすのは、安心、安全で便利なくらし、それとも息苦しい監視社会でしょうか。あちらの国の実態はどうなのか、「幸福な監視国家・中国」などの著書があるジャーナリスト、高口康太さんに聞きました。 ◇ 中国では、人々の情報や行動を記録し、活用するデジタル技術が発達しています。各種の行政データをまとめた身分証には顔写真が登録され、銀行口座と携帯電話がひもづけられている。その情報は民間にも開かれ、企業側は蓄積しているビッグデータとあわせて使うことができます。 そこから生まれる過去の取引で経済的な信用度を証明する仕組みなどは、私のようにフリーランスで働く者には心強い面もあります。クレジットカードの作成などは典型ですが、どんな会社に勤めているかという肩書きでクレジット(信
