富山大学は8月1日、通常ならすぐに忘れてしまうようなささいな出来事でも、その前後に強烈な体験をした場合には、長く記憶として保存される仕組みをマウスを使って解明したと発表した。 同成果は、富山大学大学院 医学薬学研究部(医学)生化学講座 井ノ口馨教授、野本真順助教、東京慈恵会医科大学 痛み脳科学センター 加藤総夫教授らの研究グループによるもので、8月1日付けの英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。 強烈な体験をすると、その前後のささいな出来事も一緒に長期記憶として保存される現象を「行動タグ」と呼ぶ。たとえば、東日本大震災が起こる前のランチで何を食べたかなど、震災前後のささいな出来事を覚えている人が多いことが知られている。実験動物でもこういった現象が報告されているが、その仕組みは不明であった。 同研究グループは今回、ささいな出来事である弱い学習課題と