第58回「放射線の利用と安全管理（1） ALARA：放射線防護の最適化」 — 三菱総合研究所 | 科学・安全政策研究本部(2009.02.02) 原子力・放射線施設の作業者や公衆に対しては、放射線被ばくの線量限度が定められている。しかし、放射線による発がん等の影響のように｢しきい線量｣が存在しないと仮定されているリスクに対しては、発生の可能性を少しでも減らす努力が必要である。したがって線量限度以下であっても被ばくをより低く保つ様々な手段が検討されてきた。しかし、現実としてどの程度低く保てば合意が得られるかという問題については長期に渡り様々な検討がなされてきた。国際的な放射線の専門家組織である国際放射線防護委員会（ICRP: International Commission on Radiological Protection）を中心に「合理的に達成できる限り低く保たなければならない。（As low As Reasonably Achievable）」という考え方が確立され、この考えはALARA（または｢放射
