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ブックマーク / note.kishidanami.com (3)

  • 怒りの正体と、本郷猛の形をした魂|岸田奈美|NamiKishida

    この週末、京都にて三泊四日で弟を預かっていた。 摩訶不思議なことにわたしは預かっていたつもりで、弟はついてきてやったつもりと両者どうやらすれ違っているのだが、徹底的に主観を貫き通せるのがこの場所なので姉は声を大にして言わせていただく。預かっていた。 明石にある出版社「ライツ社」まで、サインを書かせてもらいに行き、その帰り、ちょうど中間地点である実家に泊まった。ゲームでいう宿屋みたいな役割である。セーブ、回復、そして夜が明けた!(タララララ、ラッタッター♪) 「良太、もうすぐ健康診断やねんて」 なんとかして同行しようとする執念の犬をトランクから抱きあげては取り除く作業を繰り返していると、母が何気なく言った。 もうそんな季節か。 前回の健康診断は、まだ母が入院してすぐの時だった。健康のけの字も思い当たらぬ祖母が「こんだけってりゃあ、死にゃせん」の一槍で弟のお茶碗に、まんが日昔話でしか見

    怒りの正体と、本郷猛の形をした魂|岸田奈美|NamiKishida
  • ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida

    お下がりの洗濯機をいつ持っていけばいいかという連絡を母にしたら、いま病院のレントゲン検査にきているとのことだった。 心臓に人工弁を入れている母は、“念のため”の検査がやたらと多い。いつも飄々とした外科医の先生が「うん、今日も異常なっしーん」と壁に貼りつけた検査の書類を見ながら、もう当り前に決まってたことかのごとく言ってくれるのだが、超弩級な心配性の母は、いつもあれこれと質問をする。 その質問が、なんか、天王寺動物園のトラの背中にマウンテンゴリラが乗って檻から逃げ出した想定の避難訓練というか、とにかく「そうはならんやろ」と言いたくなるような想像の産物なので、母はだいたい「そうはならんのですよ」と先生に笑われて、すごすごと診察室をあとにすると言う。 「もう病気はいやや、ピンピンコロリがいい」 母が電話で、さめざめと泣いた。 「すでに病気で二回死にかけとるから、あなたの場合はピンコロ ピンコロ

    ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida
  • 歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた|岸田奈美|NamiKishida

    これは、あなたのために書いている。 春から大学生や社会人になって、新しい環境にドキドキして。 大変なことが起こっている世の中で、将来や収入に不安を感じて。 家族や友人のいない都会で、漠然と寂しくなって。 そんなあなたのために、書いている。 ちなみにわたしは、このどれにも当てはまらないが「明日の運転免許試験の練習のために路上教習を受けに行ったら、縦列駐車に20回以上失敗して“もう勘でいきましょう”と教官から冷静に言われ、ヘトヘトに疲れきり、自由が丘の裏路地の階段でうなだれていた」せいか、そんなあなたに見えてしまったらしい。 はじまりのお姉さんたち 「すみません。いまから友だちの集まりっていうか、ちょっとしたホームパーティがあるんですけど、バースデーケーキ買えるところ探してるんです〜〜〜!このあたりで美味しいケーキ屋さん知りませんか?」 顔をあげたら、きれいなお姉さんが二人いた。 まず知らん人

    歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた|岸田奈美|NamiKishida
    nonsect
    nonsect 2020/05/24
    さんをつけろよデコ助野郎でワロタ。/「他人から私生活をうらやましがられる生活をしてみたくない?」…ほんま30年前から進歩してへんなあの界隈。
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