クマを森から出さないためにやるべきこと 人とクマとの共存には、魅力的な食べ物をなくし、棲み分けを考えていく必要がある 小池伸介 東京農工大学大学院准教授、日本クマネットワーク副代表 今秋も各地でツキノワグマ(以下、クマ)の人里への出没が相次いだ。中には、温泉街や商業施設の中にまで入り込むクマも出現し、おおいにメディアを賑わせた。しかし、残念ながら、クマとの接触により数名が亡くなられるとともに、多くの方がけがを負ってしまった。ここでは、なぜクマは人里に出没し、どうしたら人との遭遇をなくすことが出来るのか、そしてクマとの共存をどう進めるのかについて考えたい。 なぜ、秋にクマは人里に出没するのか クマは雑食動物であるが、食べ物のほとんどを植物が占める。秋の主食はブナ科の果実、いわゆるドングリである。クマの秋は専門的には食欲亢進期とも呼ばれ、食べたいという欲求が高まる時期である。それは、冬になると
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