公共交通機関などでお年寄りに遭遇したら席を譲るようにして生きてきたがそれもそろそろ限界のようである。宣言しよう。僕はもう、無条件で席を譲るような蛮行はしない。ビジネスライクで物事を判断する冷酷な人間になったのではない。日本社会が変わったのだ。 実年齢よりもヤングに見積もられているからなのか、加齢臭が安心感を醸し出しているのからなのか、わからない。知りたくもない。ただ、事実として通勤電車で座席をゲットした僕の前に、つかつかやってくるお年寄り(以下「老人」)は多い。おそらく、優しそうな顔といえば聞こえがいいが、ラクショーな顔面をしている僕の前に立てば席を譲ると踏んでいるのだろう。縁もゆかりもない老人から、安く見られたものである。戦争も体験せず、高度成長期で培われたであろう、その甘ちゃんなごり押し精神が許せない。バブル期を知らない僕にそれは通用しない。 それでもお年寄りや怪我人や妊婦を見つけたら