兵庫県で発生したバレイショのソラニン等自然毒によると思われる幼稚園児の中毒事例について �T はじめに 平成13年6月16日,赤穂市内の幼稚園でバレイショ喫食後,吐気・嘔吐・腹痛・下痢などを症状とする中毒が発生した.この幼稚園では例年バレイショの栽培・収穫を行っており,当日は収穫したイモを園児らが喫食するという恒例の行事であった.調査では当日は不審者の出入りもなく,共通食はバレイショと各自持参したお茶だけであった.園児らの中毒症状からバレイショに含まれるソラニン等の自然毒による中毒1)と推定された. バレイショ栽培は理科教育の一環として多くの小学校・幼稚園で実施されており,小学校でのバレイショ中毒は過去に3例報告されている2,3,4) .しかし,幼稚園で発生したのは本事例が初めてであると思われ,今後も同様の中毒が起こる可能性が高い. このような中毒を予防し,発生した場合には迅速な対応を行う