近年、最低賃金制度に関する議論が高まっている中で、最低賃金近辺の賃金の張り付き状況や低賃金労働者の属性について詳細な実態を把握した分析結果は多くありません。 本資料シリーズは、厚生労働省労働基準局より要請を受けた課題研究「最低賃金制度に関する研究」の結果のうち、地域別最低賃金未満・付近労働者(以下「低賃金労働者」という。)について「賃金構造基本統計調査」の個票を用いて平成19年の状況分析したものです。この結果、下記のような知見が明らかになりました。注) (1)最低賃金近辺の賃金の張り付き状況 都道府県別には、一般労働者は、基本的に、地域別最低賃金額の近辺に労働者が張り付いている状況は確認できない。パートタイム労働者は、北海道、青森、秋田、和歌山、山口、福岡、大分、宮崎、沖縄等は、地域別最低賃金額の近辺に多くの労働者が密集しているといえ、地域別最低賃金が賃金の下支え効果を一定程度果たしている