◆そんな社会でいいか? 共謀罪法案は、衆議院本会議を通過したが、私は改めてここに反対意見を表明しておきたい。 そもそも、共謀罪法案とは何なのか? 政府はこれを「テロ等準備罪」と呼び続けたが、正式名称は「組織的犯罪処罰法改正案」である。名前はともかく、目的はテロ対策だろうと思われようが、この法案では「テロ」についての定義さえなされていない。対象犯罪は277にも上り、大半は窃盗や収賄、背任、横領、著作権法等の侵害、意匠権等の侵害、……と、およそテロとは無関係のものである。 しかし、政府は五輪の開催までをも人質に取って、この法案は、国際組織犯罪防止条約に加盟する上で不可欠だと説明してきたではないか? が、この条約の立法ガイドを作成した中心人物の一人、ノースイースタン大のN・パッサス教授は、「条約の目的はテロ対策ではない」と明言しており(朝日新聞)、また国連特別報告者にも法案の危険性を指摘される始