「化け物みたいな役者」。あるドラマプロデューサーは、イッセー尾形のことをそう表現した。一癖も二癖もある難役を自在に演じ、「この人しかあり得ない」と観た者に思わせる。2017年に日本で公開されたマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙-サイレンスー』で海外メディアから注目を集めるなど、国際的評価も高い。徹底した役づくりの裏にあるのは、1980年代から始めた“一人芝居”だ。誰にでもなる俳優が歩んだ、誰とも違うたった一人の道。独自の道を突き進む俳優に迫った。(取材・文:砂田明子/撮影:野村佐紀子/Yahoo!ニュース 特集編集部)