猿沢の池越しに興福寺の五重塔を望み、少し坂を登れば春日大社。そのほど近く、細い路地が入り組んだ迷路のようなならまち元林院町に、そのお店はあります。 「鹿猿狐 (しかさるきつね) ビルヂング」。 中川政七商店が300余年商いを続けてきた創業の地に、2021年4月にオープンさせる新しい「集いの地」です。 なぜ、鹿猿狐? それは集うお店にヒントがあります。 3階建ての建物の1、2階には、創業の地に満を持して構える「中川政七商店」の旗艦店。隣接する1階部分には「たった一杯で、幸せになるコーヒー」を掲げるスペシャリティ珈琲専門店「猿田彦珈琲」、東京・代々木上原のミシュラン一つ星掲載店「sio」によるすき焼き店「㐂つね」が軒を連ねます。 つまり、集うのは中川政七商店の「鹿」、猿田彦珈琲の「猿」、㐂(き)つねの「狐」の3匹。だから鹿猿狐ビルヂング。 新しい集いの場への迷い込み方は二通りです。今日は、創業