欧州では北京五輪の開会式に首脳が参加すべきかどうかも論議になっている。必ずしも中国側から招待されていなくても、欠席をにおわす発言や報道が相次ぐ背景には、「競技不参加は避けたいが、チベット問題への国内世論の手前、何らかの批判姿勢も示したい」という各国の微妙な思惑があるようだ。 発端は、「国境なき記者団」が3月18日、開会式不参加を各国首脳に提案したこと。「何年も練習を積んできた選手に『北京に行くな』と言うつもりはない。ただ、開会式は政治的なショーだ。首脳たちが欠席することで、開催国に異議を唱えることができる」とメナール事務局長は説明する。 サルコジ仏大統領が昨年11月に訪中した際に、胡錦濤国家主席が「サルコジ氏を北京五輪の開会式にお招きした」と発言。サルコジ氏も「開会式でお会いしましょう」と応じた経緯から、首脳が欠席を発表すれば政治的効果が大きいと、「記者団」は考えたとみられる。 だが