字がものすごく汚い。いわゆるミミズの這ったような字を地でいく感じで実に字が汚く、いみじくも「じ」の多い一文になったことを心より恥じる。財前五郎。 字が汚いと自分の書いた字を見るのが嫌になるので書くこと自体が嫌いになる。なので僕は手書きで字を書くのが本当に嫌いだ。タイプライターに端を発する今もこうしてカタカタ叩いているような入力装置がこの世に存在しなかったら、僕が人生の中で書いた言葉の量は大袈裟な話じゃなく今の1万分の1くらいだったんじゃないかなと思う。 字を書くのが嫌いだったのは昔からのことだったようで、思い返せば漢字の書き取りドリルみたいなのが小学生の時にあったと思うんだけど、あれがもう苦痛で苦痛で仕方なかった。手は疲れるし時間は無くなるしでどうにも憎たらしかった。 そこで当時の僕は最も効率的にラクをするためにどうしてやろうかと考えた結果、漢字を分解することで単純作業の単純度を更に引き上