子どもがみせる「育ち」の一瞬を詩にまとめた井上さく子さん(右)と、CDを共作したシンガー・ソングライターのたかはしべんさん=埼玉県川越市で 東京都目黒区立保育園で四十年近く保育士を務めた井上さく子さん(60)が、子どもたちの日々の「つぶやき」や成長の一瞬をとらえて詩につづり、今月、シンガー・ソングライターのたかはしべんさん(65)=埼玉県川越市=と共同で朗読と歌のCD「ぺんぺん草みぃつけた」を制作した。常に子どもと一人の人間として向き合ってきた井上さんの詩が反響を呼んでいる。 (中里宏) 井上さんは岩手県遠野市出身。一九七六年から目黒区で保育士を務め、先月、区立ひもんや保育園の園長を最後に退職した。在職中に貫き通したのは、子どもに「だめ」と言わないこと。問題行動があると、まず「どうしたの?」と問い掛けてきた。 CDに収められた井上さんの朗読「相談していい?」は、ほかの子どもにかみついたり、