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  • つめたい世界でたちすくむ孤独な魂――『アサイラム・ピース』(執筆者・牧眞司) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    アサイラム・ピース 作者: アンナ・カヴァン,山田和子出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2013/01/22メディア: 単行購入: 3人 クリック: 410回この商品を含むブログ (32件) を見る 伝説の作家――と言ってよいだろう。ふつうの文学史ではまず言及されることのない、しかし閃光のような小説を残し、遠くへ去っていったアンナ・カヴァン。 カヴァンは別名義による創作もあるが(それは伝統的な作風の小説だという)、アンナ・カヴァンとして特異なスタイルの作品を発表したのは1940年代から60年代にかけてだ。ただし、日でおおかたの読者が彼女を知ったのは1980年代半ば。最後の長篇『氷』(1967)が、サンリオSF文庫の一冊として邦訳されて以降だろう。これは氷がすべてを封じようとしている世界でひとりの少女を追いつづける男の物語で、全世界的な破滅と主人公の彷徨という題材をみればコーマック

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