ロシアのプーチン大統領が、クリミア自治共和国のロシア併合を表明する演説を行いました。 冷戦〜ソ連崩壊〜ポスト冷戦を経たプーチン大統領の心情、というよりもロシアという国家の感情のようなものがうかがえる演説だと思います。国際社会の多数を納得させられるかどうか、という点についての評価は受け取る側の立場によって異なるでしょうが、切々とクリミア併合に至ったロシアの「正義」が語られており、彼らの世界観を知るうえで非常に参考になりますね。 さて、演説の中でプーチン大統領はクリミア併合が国際法に違反しない点を高らかに宣言しています。そしてやはりと言いましょうか、コソボの事例を引き合いに出してきました。クリミアを舞台にしたロシアと米欧の対立は、三戦(世論戦・心理戦・法律戦)の様相を呈しています。 コソボについての経緯は本稿では割愛しますが、「コソボとクリミアは同じケースであり、コソボでNATOに認められた行