昨年12月の米機爆破テロ未遂事件で、「アラビア半島のアルカーイダ」が犯行声明を出して以来、その拠点となっている中東のイエメンが、対テロ戦争の新たな最前線として、にわかに注目を集めだしている。この国がテロの温床となっている背景に何があり、それに国際社会はどう対応すべきなのか。Q&A方式でまとめてみた。(大内清) Q どんな国なのだろう A 人口約2200万。スエズ運河に通じる紅海の海運ルートに面した戦略的要衝だ。湾岸諸国に比べて原油産出量が少なく、埋蔵原油も近い将来に枯渇するとみられている。国内総生産(GDP)は225億ドル(2兆675億円、2007年)と、日本の200分の1程度で、国民の約半数が1日2ドル未満で暮らす貧困国だ。部族の影響力が強く、男性は腰に短剣を差した伝統衣装を身に付け、女性は目以外の全身を黒い布で覆うアバーヤをまとう。 Q テロとのかかわりは A 国際テロ組織アルカーイダ