「失われた20年」という言葉にいいイメージを抱く人はいないだろう。しかし、経済アナリストの武者陵司氏は、「失われた20年の間に、日本企業はビジネスモデルを大転換させた。ナンバーワンからオンリーワンに戦略を変えたハイテク企業に引っ張られ、これから日本には『メガ景気』がやってくるだろう」と予測する。その根拠とは――。 ※本稿は、武者陵司『史上最大の「メガ景気」がやってくる』(KADOKAWA)を再編集したものです。 ■ナンバーワン志向だから日本経済は転落した もう随分と前の話になりますが、民主党が政権をとったとき、行政刷新会議の事業仕分けにおいて、「二位じゃだめなんですか? 」という質問を投げかけた議員がいました。エズラ・ヴォーゲル氏の著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』ではありませんが、かつての日本はとにかく世界ナンバーワンを目指して、さまざまな技術開発を行ってきました。くだんの事業仕分けの