過去分はこちら→ (1)・(2)・(3) 南 私は断念することを教えたいんです。教えたいというとおこがましいけど、断念するということを学ぶべきだと思うんです。絶対にわからないことは、わからないってところでとめるべきです。それを言ってしまうと、世界が閉じてしまって、閉じた瞬間にパワーを失っていくに違いない。 でも、霊魂があるかないかの話を、なぜあんなに人は大昔から古今東西、ずっと今までしてきたかというと、人ごとの話じゃないからですよ。根本には、自分は一体どこから来てどこへ行くのかがわからないという、実存の根本に不安があるんですな。 切ない話ですよ、自分がなぜここにいるのかわからないというのは。そうすると、霊魂とかあの世とか、何か言葉を持ってきてフタをしたくなるわけです。 茂木 どこから来たのか、あるいはどこへ行くのかのどちらかを。 南 あるいは両方を。これは人間の普遍的かつ根底的な欲望なんで