自閉症というと、他人の心が理解できない、あるいは共感能力が乏しい障害といわれていますが、実はそんなことはありません。環境から受け取る刺激が強すぎることが、生活の大きな妨げになっており、色彩もまたその例外でないことに周囲が配慮しなければいけないという事実を理解していただければ幸いです。 概要 ASDでは、相互的な対人関係が苦手なことや、興味関心が限られているといったことが症状として現れます。その一因に、障害にともなう「知覚過敏」があると考えられています。例えば、ごく普通の大きさの音に対してもそれを「大きすぎる」と知覚判断し「うるさい」と感じたり、ごく普通の皮膚接触でさえ「痛み」を覚えたりといったことが挙げられます。その結果、自閉症の子どもは周囲からするとごく普通に話しかけたつもりであるのに、怒られていると誤解したり、あるいは予防接種を極端に怖がったりして、パニックに陥ることも珍しくありません
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