大都市圏を中心として、日常生活に多大な影響をもたらした政府の「新型コロナ緊急事態宣言」――。仕事や住む場所を失い、路頭に迷った人の数はリーマン・ショック時以上とも言われる。多くの人がSOSを発する中、東奔西走した支援者たちは何を感じたのか? 自らも困窮者支援活動に参加した雨宮処凛さんと、追い詰められた人々への支援の実態を記録したドキュメンタリー『コロナ禍の東京を駆ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日誌』(岩波書店、2020年)の著書でもある小林美穂子さんが語る。 「パンドラの箱」が開いたように相談が殺到 小林 小林美穂子と申します。東京・中野にある一般社団法人「つくろい東京ファンド」(以下「つくろい」)という生活困窮者支援団体のメンバーで、普段は「つくろい」が運営する「カフェ潮の路」でコーディネーターをしています。このカフェは活動の一環で、地域住民やかつてホームレス状態だった人、今もホームレ