コンゴでの怪獣さがしのためフランス語だけでなく、リンガラ語を習おうと決意した高野さん。きっかっけは突然出現したテレビ番組制作会社の存在でした……。 私の言語人生(なんてものがあればだが)を振り返ると、初期の段階で、節目節目に不思議な力が働いていたと思わざるをえない。コンゴへ行くためにはフランス語ができれば十分だったのに、途中から並行してリンガラ語を学習することになってしまったのだ。 理由は、RPG的にいえば、「新たな敵の出現」だった。 ゴジラ現る 私が探検部の仲間と一緒に、コンゴに棲むといわれる謎の怪獣モケーレ・ムベンベ探索の計画を立て、部内で「コンゴ隊」と呼ばれるようになっていた頃、全く偶然ながらテレビ番組制作のプランナーを名乗る人が独自にムベンベ探索の番組化をもくろんでいることを知った。その人の名は長井健司という。後年彼は紛争地帯を歩く映像ジャーナリストになり、2007年、ミャンマーで