諸事情があり、戦前の苦学を調べ続けていた。色々なことが解ったのだが、その中で最大の驚きは、学問をしたい苦学生は(ほぼ)いないという点であった。ちなみにここでいう苦学生とは、小学校を卒業したものの家が貧乏で進学できず、働きながら学問をしようと決心した…といったような人物である。 戦前の若者たちが苦学をするのは、基本的には立身出世が目的で、良い大学を出て良い会社に就職し、良い生活をしようという単純明快なものであった。時代によって「良い会社」が「政治家」であったり「官吏」であったりの違いはあるが、学問による出世が可能な社会に属する若者であれば、一度は思うようなことであろう。 そのような目的とは異なり、純粋に好きなことを学びたい、追求したいといった欲望を満たすために苦学をする若者もいるのだろうと、私は勝手に考えていたのである。 戦前の野心のある若者たちは、基本的には世俗的な成功をしたいと考えていた
「日本の大学がトップ10にない」「トップ100以内に少ない」ことばかり取り沙汰される世界大学ランキングだが、実は500位以内およびその近傍にまで視野を広げると、日本は2010年時点ではランクイン数で米英独に次ぐ世界第4位を誇っていた。ところが2022年には国別で8位まで後退し、中国に抜かれ、韓国と同順位になっている。 「日本の大学システムは『頂点の高さ』ではなく『層の厚み』が特徴であり良さだったが、これが今や失われつつある」――『国立大学システム 機能と財政』(東信堂)を著した島一則・東北大学大学院・教育学研究科教授の見解だ。旧帝大などとの大学間格差が広がる、地方国立大学の教育・研究環境の悪化とその原因について島氏に訊いた。 現在の国立大学への予算配分は、全体の食糧給付を減らして一部に栄養ドリンクを配るようなもの ――現在の地方国立大学の教育・研究の窮状から教えてください。 島 これからお
米フロリダ州のタラハシー・クラシカル・スクールで、11歳から12歳の生徒にミケランジェロの代表作「ダビデ像」を用いた授業を実施したため、校長が「子どもにポルノをみせた」として辞任に追い込まれる事態へと発展。このニュースを受け、ダビデ像を所蔵する伊フィレンツェのアカデミア美術館セシリー・ホルバーグ館長が、この出来事は「ひねくれた心」と「大きな無知」の産物であるとコメントしています。 ミケランジェロのダビデ像(画像はアカデミア美術館公式サイトから) ホープ・カラスキヤ校長は、保護者全員にミスで通知が行き届かない状況のもと、ダビデ像の画像をルネサンス美術の授業で使用。一部の保護者から「子どもがポルノをみせられたと言った」などと苦情が寄せられたことから、校長の職務を降りることに。 タラハシー・クラシカル・スクールは、ある共同理念をもとに保護者や教師、地域団体が特別認可を受け作り出すチャーター・スク
しばらく考えてみたけど、やっぱりGoogleはここ20年間くらいで最大のチャレンジを迎えているような気がする。
40代男。妻子あり。転職活動にまつわる様々で日々へとへとになっているある日、駅前で立憲民主党の女性議員が演説をしていた。僕が見たときには先輩と思しき男性議員がマイクを持ってこんなことを話していた。 「**議員自身も一人の子を育てるお母さんです」 「女性が差別される、報われない、この社会を変えていかなければならない」 「LGBTQへの理解を進めて、多様性のある社会を実現していくために、今こそ**議員のような人が……」 直感的に、ほとんど本能的に「こいつ嫌いだな」と感じた。女性であり、多様性を訴える新人議員の仮想敵は当然ヘテロ男性である自分のような層だ。「あなたたち、どきなさい。あなたたち男性が、不当に私たちの権利を侵している」。そんなことを言われたように感じたんだろう。もちろん、ちょっと冷静になれば若手議員の訴えるのは社会の変革であって、自分のような個人を攻撃しているのではないことくらいわか
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