困窮層はどんな肉に食べ、どんな魚を食べているかを厚生労働省「国民健康・栄養調査」によって図録0228で明らかにしたが、ここでは同じ調査の結果から肉や魚に限らず全般的に困窮層(貧乏人)は何を食べているか(および何を食べていないか)にふれよう。 「貧乏人は麦を食え」という言葉が有名であるが、これは後に首相となる池田勇人蔵相の1950年の国会答弁だとされる。これは、米の配給制による統制経済から脱し、価格差に応じ「所得の少い人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則に副つたほうへ持つて行きたい」という趣旨の発言だったのが、池田蔵相の日頃の尊大な態度に不快感を抱いていた野党、マスコミによってそう伝えられたものである。 それでは、現代では、いったい貧乏人は何を食べているのであろうか。この点に関する統計データはありそうでなかなか得られない。厚生労働省の国民健康・栄養調査は、旧来の国