シューケアコラム このコラムは、「ミスターシューケア」 こと安富好雄さんが、 1984年から1985年にかけて“FOOTWEAR PRESS”誌に 連載されたものを、安富さんの許可をいただいて 転載したものです。 『靴みがき』…この聞きなれた言葉も、今や何となく風化し始めたように感じます。終戦直後の混乱の中、 浮浪の身となった子供達が、進駐軍などの靴をみがいていた。当時、『東京シューシャイン・ボーイ』という歌がはやり、「オジさんッ、 靴みがかせてくれヨ!」というセリフがあったことを覚えている。それは、せがんで靴をみがこうとする物乞いの姿に近かった、と思う。 < そして今日の街頭で靴みがきをしているオバさんたち。寒空に頭巾をかぶり、着ぶくれするほどに重ね着 をして座っている姿は、何となくもの悲しい。終戦後のイメージで見るせいでしょうか。 < 10年ほど前、私も一度だけ経験のために、浅草雷