「薄情 作者 絲山秋子」 地方で暮らす主人公の日常。地方ならではの暮らしや景色や人付き合いや考え方、人ととの関わり、起こる出来事とともに自分と向き合い続けている男の物語。 まず読み終えて第一声……重い。別に物語の内容自体がとても深刻で重いというわけではないのだけれども、精神的要素というか哲学的要素が満載ですごく胸に刺さってくる描写。すごく人間的。私がふだん考えているようなことを主人公が考えているので私的には結構ずしーっときた。 日常の出来事+主人公がその出来事に対して自分自身がどう感じているか というのが常にセットになって描かれている。 でもこれこそが人間の日常と呼ぶのにぴったりなのかもしれない。 人の行動、自分の行動、自分の無意識の発言、ひとのちょっとした一言、身近な風景…… さまざまなことからその意味を見出だそうとする。何故を考える、予防線を張る、願望や欲望とごちゃまぜになる。 主人公