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ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (7)

  • 『統合失調症は減少しているのか?』

    最近、うちの病院で新患のしかも初発の統合失調症の人をほとんど診なくなった。新患はうつ状態が最も多い。よく考えると、いつか過去ログに出てくる「3人の女性患者」のうちの1名を診て以来、初発の新患は全く診ていないので、新規発生患者は非常に少なくなっていることが予想できる。 一般に、教科書的には統合失調症の発病率は0.8%くらいと言われている。たぶん、現在の真の発病率は0.4%くらいではないのかしらん?と思ったりする。若い統合失調症の患者さんを全く診ないかというとそうでもなく、例えば措置鑑定とか医療観察法の鑑定で診るので全然いないことはない。しかし、うちのようなタイプの病院にはあまり来ない。 単に操作的に診断すれば、幻聴などの陽性症状が一定の期間続けば、統合失調症と診断して良いため、マギレの人々が入り込んで、結局、従来と同じ0.8%となると言うのはあるかもしれない。これは時々過去ログでも触れている

    『統合失調症は減少しているのか?』
  • 『リストカットはどのように治るのか?』

    リストカットは自傷行為の1つで、過去ログにも少しだけエントリがある。リストカットの原因だが、普通、トラウマだとか心理的なものを言われているが、僕はそう見なしていない。 リストカットは、自分自身への暴力性であり、おそらく器質的色彩の強い精神所見なのである。 僕が治療した範囲では、そういう風に考えた方が、いろいろな点で辻褄が合うし、ずっと合理的だと思う。治療方法、経過もその方が理解しやすく、僕は常にその視点で治療を進めている。 過去に虐待があったとか、あるいはトラウマになりそうな事件があったとか、そのような生育歴は単に器質性疾患を暗示するものでしかない。 ただ、うちの病院はリストカットの人がすごく集まるような病院ではないので、僕が知らないところに、とてつもなく難しい人もいるかもしれないとは思う。 過去ログにも少し出てくるが、僕はパニックやリストカットはあまり疾患として重視しておらず、精神疾患の

    『リストカットはどのように治るのか?』
    nunomeso
    nunomeso 2008/12/23
    >リストカットは、自分自身への暴力性であり、おそらく器質的色彩の強い精神所見なのである。//「自分自身への暴力性」は実感として同意。憑き物が落ちて消失する。衝動性の制御に心理療法の出番をくれないかしら。
  • 『SDA』

    脳内には4つのドーパミン経路がある。そのうち黒質線条体ドーパミン経路は黒質から基底核に投射して、運動をコントロールしていると言われる。定型抗精神病薬などの投与により、ドーパミン受容体が黒質線条体経路のシナプス後部で遮断されると、パーキンソン病に似た運動障害が引き起こされる。このような定型抗精神病薬による、パーキンソン症状を薬剤性パーキンソン症候群などと呼ぶ。また、この時に出現する振戦、筋強剛、流涎などの症状は錐体外路症状(EPS)と呼ばれる。 SDA(セロトニン-ドーパミンアンタゴニスト)では、すべて、5HT2A、D2の拮抗作用を有している。定型抗精神病薬との違いは、5HT2Aの拮抗作用を持っているかどうかなのである。黒質線条体ドーパミン経路では、セロトニンニューロンは、ドーパミン放出に関しては抑制的に働く。だから、SDAのようにセロトニンニューロンを抑制する薬剤では、黒質線条体経路で相対

    『SDA』
    nunomeso
    nunomeso 2008/06/21
    SDAの作用について。EPSとの絡みなど。
  • 『SSRIの等価換算』

    セレクサ 20mg (邦未発売) プロザック    20mg (邦未発売) デプロメール 100mg (=ルボックス) パキシル 20mg ジェイゾロフト 50mg これはモーズレイ(2001)のガイドラインによる。みるとわかるように、セレクサ、プロザック、パキシルが等価になっており、デプロメールとパキシルが1:5になっている。また、ジェイゾロフトはその中間になっている。ジェイゾロフトは日では上限が100mgとされているが、アメリカやイギリスでは200mgまで処方できる。またパキシルは60mgまで処方できるようである。一般に、向精神薬は日人は欧米人と比べ、処方の上限が低く定められている。

    『SSRIの等価換算』
    nunomeso
    nunomeso 2008/05/19
    等価換算
  • 『エビリファイと妊娠』

    アメリカでは、FDAが個々の薬物の妊娠に対するリスクのランキングを公表している。このランキングにより、現在、薬物にどの程度の催奇形性リスクが存在するかがわかるようになっている。(A、B、C、D、Xの順で、後ろほどリスクが高い。Xは禁忌) 向精神薬の場合、定石的なものがあり大雑把に言うと、 ① 抗不安薬・・・・・リスクがわりあい高い。(おおむねD) ② 睡眠薬・・・・・・リスクが高い(おおむねDかX。例外的にマイスリーはリスクが低い(C)) ③ 3環系抗うつ剤・・近年、ランキングが下がり、リスクがわりあい高いものが多い ④ 4環系抗うつ剤・・リスクが低いか普通 ⑤ SSRI・・・・・・・プロザック、ジェイゾロフト、デプロメールは中程度(C)。パキシルは例外的にリスクがわりあい高い(D)。 ⑥ 古いタイプの抗精神病薬・・・中ぐらい ⑦ 非定型抗精神病薬・・・・・・中ぐらい ⑧ 抗てんかん薬・・

    『エビリファイと妊娠』
    nunomeso
    nunomeso 2008/01/03
    >ちなみにアルコールの評価はDで、エビリファイよりもリスクが高い。
  • 『精神保健あれこれ』

    現在、日では精神科(心療内科)の入院患者、外来患者の総数は302万人ほどである(平成17年)。 このうち入院患者数は35万人と、この10年であまり変わっていない。外来患者は、なんと267万人もいるのである。この数だが、平成8年では220万人ほどだったので、外来患者のみ激増しているといえる。これは必ずしも患者が増えているだけではなく、精神科、心療内科のクリニックが激増したことや、近年、精神科、心療内科の敷居が低くなり受診し易くなっていることと関係がある。 入院、外来患者総数のうち、最も大きな割合を占める疾患は、現在では「気分障害(躁うつ病も含む)」となっている。この数だが92万人くらいで、全体の約35%である。(因みに2位は統合失調症で75万人) 実はほん少し前まで、1位はダントツで統合失調症であった。平成8年及び平成17年の資料では、 平成8年 気分障害  43万(23%) 統合失調症 

    『精神保健あれこれ』
    nunomeso
    nunomeso 2007/10/26
    H17年:入院・外来総数302万人。入院35万人、外来267万人。総数のうち気分障害92万人、統合失調症75万人。気分障害が激増、総合失調症は微増。
  • 『リストカット』

    リストカットは些細な失望や失意を契機に、主として自分の手首をカミソリやカッターナイフなどで切創することを言う。若い青年期の女性に多いが、そうでない人にもみられる。普通「理解されなかった」とか、「裏切られた」などの対象喪失感をきっかけに行われることが多い。その際にトランス状態を呈していることもある。 リストカットは若い人の場合、そう深くない「Delicate cutter」であることが多い。Delicate cutterとは、簡単にいうと、「浅い傷を繰り返すタイプ」である。何も平行して入れている場合も多い。普通は手首が多いが、場合によると前腕部位に広く入れている場合や、ウインナーソーセージのようにはっきり判るように腕の外側を切っているような人もみられる。これは、きっと他の人に見てほしいのだと思う。この外側に入れている人々は、20年前にはあまりいなかった。これはおそらく時代の変化だと思ってい

    『リストカット』
    nunomeso
    nunomeso 2007/07/20
    >リストカットのsecondary gain(2次的利得)が更に大きくなるような気がするからである。
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