No.4715 (2014年09月06日発行) P.66 高橋和郎 (大阪府立公衆衛生研究所副所長・感染症部長) 登録日: 2014-09-06 最終更新日: 2018-11-27 【Q】 不顕性感染のインフルエンザは,ほかの人への感染源となりうるか。 (岩手県 H) 【A】 インフルエンザウイルスの不顕性感染者(症状がまったく認められない感染者)が感染源となるかどうかについては,過去より議論されているが,信頼性のある研究報告は認められず,結論は不明である。本回答ではその可能性について文献をもとに推論してみたい。 インフルエンザは飛沫感染,空気感染(エアロゾル感染),接触感染,の3経路により伝播されると考えられているが,各々がどれほどの割合で関与しているかは明らかでなく,また,検証も困難な課題である。 空気感染は,一部ではあまり関与していないであろうと考えられてきたが,近年,その重要性が再