遺伝の法則で、メンデルの法則は習った人が多いだろう。教育課程では中学校でやることになっているのかな? 19世紀という近代から現代に移りつつあるまだ宗教的価値観の影響が色濃い時代に、修道士でありながら寺院の裏庭でせっせとエンドウマメを栽培して神に喧嘩を売ることに執心したメンデルさんの姿を思い浮かべると、ふふってなる。 優生保護法 筆者が大好きな「銀河英雄伝説」では、ゴールデンバウム王朝創始者であるルドルフ大帝が定めた「劣悪遺伝子排除法」という形で登場する。オーベルシュタインが毒づく場面は好きな場面の一つだ。劣性遺伝子を排除することで優性遺伝のみを残すことは科学的に不可能であることはあったりまえのことで、今やこの手の法律を運用している国はない。なのに未来設定の銀英伝で出てくるあたり、たとえ舞台装置としてでも誰でも思いついてしまう誤謬の一つだ。旧優生保護法が日本で制定されたのは1948年、戦中の