── 田辺さんの画を活かすという方向になったのは、『かぐや』の企画初期から? 西村 うん、それが初志ですね。線、芝居、色のスタイル。田辺修という1人の才能が持っているものを全部活かす。 ── それは題材選びにも関わってくるわけですよね。 西村 もちろん。『山田くん』を終えたときから、高畑さんは「田辺修しかいない」と思っていて、田辺修がその企画に対して頷かないのであれば、その映画は作らない、と。「平家物語」の企画もあったし、アイヌの民話を映画にしようとしたこともあったし、宮沢賢治の作品をやろうとしたこともあった。でも、結局はすべて、田辺さんが1枚も画を描かなかったんですよ。 ── 企画が出ているのに? 西村 高畑さんが「これでどうだ」と言うんだけど、田辺さんのほうで実感が沸かなかったんでしょうね。それとも単なるサボり癖なのか、本人じゃないから分かりませんけどね。でも、結果として1枚も描かなか
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