・・・ 昨年《平均律第1巻》クラヴィコード公演のプログラム・ノーツでは、驚くべき聴力を持つ東スーダン地方のマバーン族を引き合いに出して、「本来人類の耳は如何に速やかに、どんな小さな音にも対応し得るか」について延々と力説したため、楽器の「プラチナのような繊細さ」については総じて御寛恕頂けたようでした。星空を眺めるとき、目の瞳が暗闇に慣れるまで約20分ほどの時間がかかりますが(暗順応)、一方、明るさに慣れるのはその何倍も早いものです。 さて、バッハ後期鍵盤作品のうち《平均律第2巻》や《フーガの技法》は、《ゴルトベルク変奏曲》や《音楽の捧げ物》に比べて、弾き手・聴き手双方から敬遠される憂き目に遇っているようです。複数の音大で教鞭を執っておられる渡邉順生氏によると、「チェンバロを副科で学んでいるピアノ学生だけではなく、ピアノ科から古楽部門チェンバロ科へ転科した専門学生でさえ、なかなかレッスンに《平
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