「カナソ・ハイニノ国」。旧国鉄が赤字ローカル線の廃止を進めていた1984 (昭和59)年、当時の中町商工会青年部有志が鍛冶屋線存続運動の象徴として建国した。旧中町側から鍛冶屋-中村町-曽我井-羽安-市原-西脇-野村の全7駅の頭文字を取った。 同時に憲法も制定。「私たちは鍛冶屋線を地上から永遠に追放しようと企てている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」と前文にうたった。領土は同線13.2キロ。月に1回の乗車を国民の義務とした。一口2千円の“国債”も発行して活動資金に充てた。 ウオークは、鍛冶屋駅跡に立つ鍛冶屋線記念館を出発進行。「歩っ歩(ぽっぽ)の道」と名付けられた、いかにも線路跡らしい真っすぐなコースを歩む。「♪汽車 汽車 ポッポポッポ シュッポ シュッポ シュポッポ…♪」。同駅近くには金刀比羅神社がある。11月の例祭「こんぴらさん」は播州三大祭りと呼ばれ、往時は臨時列車が増発された