昭和50年の大ヒット曲「およげ! たいやきくん」のモデルとして知られる老舗たい焼き店「浪花家総本店」(東京・麻布十番)会長、神戸守一(かんべ・もりかず)さんが5日、前立腺がんのため死去した。86歳だった。 神戸さんは、たい焼きを初めて世に送り出したとされる同店の3代目として、15歳から70年以上たい焼きを焼き続けた名物店主。コック帽にちょうネクタイ姿が話題となり、「およげ−」のモデルとして全国区の人気になった。それでも、一気に大量のたい焼きを焼き上げることで行列客を早くさばける「鯛カタ」の導入をかたくなに拒み、一匹ずつていねいに手焼きする「一丁焼き」にこだわり続けた。 昨年11月、たい焼き生誕100周年を機に夕刊フジのインタビューに応じた際には「たい焼きってのは厳選したよい材料だけを使った、アンたっぷりの熱々のたい焼きを、男なら頭からガブリ、女なら慎ましく尾っぽからパクっていくのが王道だよ