【オムニバス】家庭料理にプロの味はいらない 2010年03月06日オムニバス 鈴木喜志子 ある民放テレビ局の法律相談の番組を見ていたときのことだった。子供のための法律相談のコーナーに10歳ぐらいの女の子がご飯をまったく作ってくれないおかあさんを訴えたいという相談を持ちかけてきた。回答者のやさしそうな女性弁護士は料理をしないことは法律的には家事を放棄していることにはならないので、おかあさんを訴えることはできないと答えた。ただし成長期の子供さんのいるおかあさんは、なるべく手料理を作ってあげてくださいとその女性弁護士は穏やかにコメントした。 料理をまったくしないというから、おかあさんはさぞかし悪妻かと思っていたら、悪びれるどころか、むしろ明るくて感じのいい奥さんだった。おかあさんが料理をしないことが、女の子にとって唯一の不満のようだった。 世間一般の常識で考えれば、一家の主婦ともあろう者が家