【アテネ時事】欧州連合(EU)などとの金融支援交渉が決裂の瀬戸際にあるギリシャでは、週明け以降に銀行業務がまひする可能性が一段と高まった。週末の首都アテネでは預金を下ろす人々が銀行に列をつくり、混乱を招いたチプラス政権の不手際を口々に批判。ユーロ圏離脱が日に日に現実味を増す未曽有の事態に身構えている。 「すぐに現金を下ろして。水やパンもできるだけ確保した方がいい」。チプラス首相が、債権団の求める緊縮財政の是非を問う国民投票の実施を突如ぶち上げた27日、アテネ郊外に住む翻訳家の石川直子さん(47)は、ギリシャ人の夫から電話で連絡を受け、直ちに現金自動預払機(ATM)に走った。 ギリシャが債権団から支援を絶たれ、30日に期限が来る国際通貨基金(IMF)向け債務の15億ユーロ(約2000億円)がデフォルト(債務不履行)に陥れば、週明け以降に国内銀行の資金が枯渇する公算が大きい。地元メディアに