平成28(2016)年末に配備開始された陸上自衛隊の最新鋭、「16式機動戦闘車」(以下MCV)は、世界に類を見ない正確な砲撃精度、機動性能を持っている。 ロシアによるウクライナ侵略戦争では、改めて戦車の有用性が認識された一方、こうした機動戦闘車も極めて有用であることが証明されている。 日本が誇る「10式(ひとまるしき)戦車」の陰に隠れてあまり注目を集めていないように見える16式機動戦闘車だが、いざ台湾有事、尖閣諸島有事となれば、大いに活躍が期待されている。 しかし、今となっては日本の虎の子とも言える16式機動戦闘車も、実は鳴り物入りで開発が始まったわけではなかった。 非常に厳しい自衛隊の予算内で、しかもアンチ自衛隊の反発を極力受けないように、ひっそりと開発がスタートした。 今回は、この16式機動戦闘車の開発に携わった一人として、知られざる開発物語をお届けしたいと思う。 16式機動戦闘車は、
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