ロシアのウクライナへの軍事侵攻が続いている。国際法・防衛法政研究者の稲葉義泰さんは「軍事的に非合理的な戦争でも起きてしまうことが露わになった。そんな時代の中で自衛隊は何のためにあるのかを、いま一度考えるときに来ている」という――。(後編/全2回)(インタビュー・構成=ライター・梶原麻衣子) 「ロシア・ウクライナ戦争」における最大の衝撃 (前編より続く) ――ウクライナ戦争が勃発してから2年半。内戦や紛争ではなく、国家間の大きな戦争が起きてからの過程を目の当たりにして、日本国民の安全保障意識に変化はあったのでしょうか。 【稲葉】確かに何らかの変化はあったのだと思います。ただし「戦争は本当に起きるものなのだ、それに備えなければならない」というところまで行っているかと言えば、それはわからないところで、やはり無関心の方が大きいのではないでしょうか。 無関心、というのは必ずしもニュースを見ない、全く