クモの交尾は命がけだ。『クモの世界』(中公新書)を書いた浅間茂さんは「ギンメッキゴミグモというクモは、自分の子孫だけを残すために、交尾後にオスがメスの生殖器を破壊してしまう。日本には1700種類のクモがいて、熾烈な生存競争を行っている」という――。 ※本稿は、浅間茂『カラー版 クモの世界 糸をあやつる8本脚の狩人』(中公新書)の一部を再編集したものです。 コガネグモ科の3パターンの求愛行動 恋の糸電話――ゴミグモ 網を張る大半のクモでは、雄は雌の網に侵入する際に、網をリズミカルに叩いて信号を送り、それで相手の反応を見ながら雌に近づき、求愛行動を行う。5月中頃にゴミグモが、雌の網の中心部近くの縦糸に自分が出した糸をつなげて、盛んに脚でその糸をはじいているのを観察できる。 この糸を交尾糸という。1匹の雌に、多いときは6匹の雄が糸をはじいているのを見かける。雄は雌の反応を見ながら交尾糸を盛んには
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