【LiveScience】トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)という寄生虫の名を聞いた事があるだろうか。トキソプラズマは一般的に猫を宿主とする寄生虫として知られる一方、人類の約半数に感染していることでも知られている。しかし多くの場合、トキソプラズマは人体にとってほぼ無害であるため、通常、人間がその存在に気づくことはないのである。このトキソプラズマは、ネズミをはじめとする猫の獲物に卵を産み付け、それら中間宿主に嚢胞を形成し、時にはそれら生物の脳に寄生する。しかし例えば、猫は死骸や腐敗した獲物を嫌うため、これまで、このトキソプラズマはネズミの体内で徹底して”行儀の良い”寄生虫として存在し、ネズミを完璧に健康な状態に保つと思われてきたのである。 しかし近年、オクスフォード大学の科学者らが行った研究によれば、このトキソプラズマに感染したネズミはその行動が微妙に変化していることが明ら