バーチュのHFT形態の説明に先立って、指値注文と成行注文が持つ特性の違いを説明しておきます。 指値注文とは自身の注文を板に晒し、市場に対して購買意思を示すものです。これはマーケットに対して流動性を供給する行為です。このような注文でマーケットが形成されることから、マーケットメイク注文(単にメイク注文)と呼ばれます。 これに対して成行注文は自身の注文は板には晒されず、既出の板を買い付けることになります。これはすなわち、マーケットの流動性を奪う行為です。これはメイク注文に対して、テイク注文と呼ばれます。 流動性を供給する側からすると、流動性を奪う側に何らかのペナルティが存在しないと割りに合いません。このことは、注文に付随するコストを考えると納得できます。指値注文ではスプレッドなどによる執行コストが発生せず、成行注文ではそれらのコストが発生します。つまり指値注文は執行コストが控除されているのに対し