前回のお話 “自分は犬からも患者さんからも、信頼されていないのでは“ という不安を感じ始めたオウギさん。 確かに医療従事者である薬剤師にとって、信頼は大事だ。 信頼されていない場合。 服薬指導を行なっても、きちんと話を聞いてくれなかったりする。 そう、例えばさっきの抗生物質。 “風邪を引いた“ という知人から、抗生物質をもらったという話を聞いたことがあった。 そのとき“抗生物質は必要ない”とその知人に説明しても、全く信じてもらえず、苦労したことがあった。 “私はいつも、抗生物質を飲めばすぐ治るんだ“と… 抗生物質のことは頑なに信じているのに、なんで俺の話は信じてくれなかったんだろう。 人によっては肩書きだけで、簡単に信用する人がいる。 “権威ある医学賞をとった医者。テレビで活躍している有名な医者。名門大学の医学部の教授“ そんな肩書きに弱い人。 もちろん俺にはそんなご立派な肩書きはない。