政府は、国産ワクチンの研究開発を後押しするための基金を創設する方針を固めた。新型コロナウイルスのワクチン開発で海外に後れを取った現状を踏まえ、大学や製薬会社に資金を安定的に配分できる体制を整える。今後、新たな感染症が流行した場合、ワクチン開発を迅速に進め、短期間で実用化できるようにする。来月公表するワクチン開発の新戦略に盛り込む。 【写真】ワクチン希望率、説明の仕方でこんなに変わる 基金は、医学や医療の研究費の配分を担う「日本医療研究開発機構」に設置する計画だ。高い効果を期待できるワクチン候補を選定し、細胞を使った基礎研究や、人に接種して効果や副反応を調べる臨床試験などを支援する。同機構が感染症分野の専門家と連携し、研究者らに助言したり複数の研究を組み合わせたりし、開発を加速化させる仕組みも整える。 国内のワクチン開発は、過去に副反応が社会問題化したことから、停滞していた。日本の感染症分野