「津波避難ビル」に指定されていた町営住宅。約50人が避難して命をとりとめた=宮城県南三陸町、二階堂写す 全国各地の沿岸部では、津波を想定して住民が緊急に逃げ込むための「津波避難ビル」が指定されている。岩手、宮城、福島の3県にある避難ビルは59。東日本大震災では、このビルに命を救われた住民もいる。内閣府は指定基準の見直しが必要かを検討したうえで、全国的な普及を目指す方針だ。 津波避難ビルは、中央防災会議がまとめた「東南海・南海地震対策大綱」で避難が難しい地域があるとの指摘を受け、内閣府が2005年6月に、指定のガイドラインをまとめた。04年12月にスマトラ沖地震大津波が発生したことで、必要性が高まった。 ガイドラインでは1981年の新耐震基準に適合する鉄筋コンクリート造りで、想定される浸水が2メートルの場合は3階建て以上、3メートルで4階建て以上とされている。市町村がビルの所有者らと協